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特別寄稿: Vertu Signature Touchソフトウェアレビュー(3. 携帯一つで夢をお届け、Vertu Life & Vertu Concierge編)

PIC World 読者の皆さま

さて、今回はVertu Signature Touchソフトウェアレビューの第3弾。まさにこれぞVertuの真骨頂とも言うべき「Vertu Life」および「Vertu Concierge」の各サービスメニューについてです。

「Vertu Life」については前回の記事でちょっと触れましたので、このサービスがどのようなものかについては、ある程度はすでにおわかりいただけたのではないかと思います。また、もう一つの「Vertu Concierge」についても、Vertuが数年前に日本でビジネスを展開していた頃に何度もメディアで報道されていましたので、ほとんどの方がどのようなものかすでにご存じなのではないかと思います。最近では、NTTドコモが「iコンシェル」、Googleが「Google Now」、Appleは「Siri」のようなサービスを提供していますが、これらが現在構築中のプログラムで自動化された無人サービスであるのに対し、Vertuのコンシェルジュサービスはすべてが生身の人間(しかも「ライフスタイルマネージャー」と呼ばれるこの分野のプロフェッショナルたち)によるリアルな対人アシスタントサービスです。電話一本で、たとえばジェット機の緊急手配をしたり、クライアントの希望で結婚式にタイから象を1頭調達したりと、けっこう無理難題もなんのそのという感じで願いを叶えてくれます。

では、本稿では、これら「Vertu Life」および「Vertu Concierge」の各サービスの端末画面の様子を順に見ていきたいと思います。

 

▼ Vertu Life

Vertu Signature Touchのハンドセットから「Vertu Life」のサービス画面を起動するには、Home画面の2番目のViewの「VERTU LIFE」ウィジェットをタップするか、またはHome画面トップの「Vertu Life」の小さな丸いアイコンを選択します。
(または、後述する本体右側面のコンシェルジュキーを押して表示される画面から「VERTU LIFE」を選択することもできます。)

これらのウィジェットまたはアイコンを選択すると、次のような画面が表示され、スワイプ操作で画面を上下にスクロールできるようになっています。Screenshot_1970-02-21-13-18-10Screenshot_1970-02-21-13-18-19Screenshot_1970-02-21-13-18-27Screenshot_1970-02-21-13-18-39

デフォルトでは、各サムネイル画像のカテゴリには、それぞれ次のようなタイトルが表示されています。

  • EVENT – EXPERIENCE GLOBAL ICONIC SPORTING EVENTS
  • ACCESS – A COLLECTION OF EXCLUSIVE PRIVATE MEMBERS’ CLUB
  • ACCESS – PRIVATE ACCESS TO ICONIC FASHION BRAND EVENTS AND EXPERIENCES
  • EXCLUSIVE – UNFORGETTABLE STAYS AT THE WORLD’S LEADING HOTELS
  • EXCLUSIVE – UNIQUE CURATED DINING EXPERIENCES
  • EVENT – A CALENDAR OF PRESTIGIOUS CULTURAL EVENTS
  • EXCLUSIVE – YOUR PLACE ON THE MOST COVETED OF GUEST-LISTS
  • EXCLUSIVE TREATMENTS AT THE MOST EXQUISITE SPAS

どうやらこれらの項目は、左上の三本線のアイコンをタップすることで表示される下図の画面で、どれを表示させるか、または非表示にさせるかを指定できるようです。
Screenshot_2014-09-23-08-46-05

この画面では、さらに「World View」や「Bookmarks」、「Interests」、および「Vertu Account」へのリンクオプションも用意されています。

ここでいう「Interests」は、前回の記事で紹介した端末登録後の「VERTU ACCOUNT」の画面で表示される9つのボタンの「INTERESTS」パネルと同じ画面に素早く移動するためのショートカットメニューのようです。おそらくこのパネルで自分がどの分野に興味があるのかを指定すると、「VERTU LIFE」の画面でプッシュされるFeedの内容も、現在滞在中の地域の位置情報と照らし合わせる形で最適にチューニングされるのではないかと思います。(※ すみません、このあたりについては今回はちゃんと調べることができなかったので、あくまで私の勝手な推測となります。。)

また、一番下の「Vertu Account」は文字通り、端末登録後に表示される「VERTU ACCOUNT」と同じ画面へのショートカットとなっています。

ここでちょっと私の気を引いたのが、上から5つ目の「World View」のオプションでした。このオプションを選択すると、下図のような雄大な地球儀の画面がサファイアクリスタルのディスプレイ一杯に表示されるようになっています。この地球儀の画像はスワイプ操作で上下左右に自由に位置を移動させることができるようになっており、まるで立体の丸い地球儀を実際に触っているかのような気分にさせてくれます。画面がきれいなのでとても爽快なのですが、できることといえばただひたすらこれを繰り返すことくらいで、その他の仕掛けらしいものは特に何も見つけられませんでした。もしかしたら今後は何かのサービスと関連付けられるのかもしれません。
Screenshot_2014-09-23-08-48-39Screenshot_2014-09-23-08-47-34

このように、「Vertu Life」では、世界でも一流のVIPであるVertu Signature Touchの各Ownerが、それぞれ自分の趣味や目的に合わせて必要な情報をいつでも容易く拾うことができるよう、さまざまな工夫が凝らされています。

前回の記事でもちょっと述べましたが、この中には世界最高級のホテルやシャンパーニュ、世界でも有数の特権階級の人たちだけが利用できるPrivate Members’ Club、World Cup決勝戦のようなビッグゲームやコンサートのプレミアムチケット、あるいはアカデミー賞式典の特別招待のような、他のスマートフォンブランドやメーカーでは到底提供できないような選りすぐりの情報が含まれます。

いったいどこに、このような超VIP待遇の特典サービスを、携帯端末1つを通して顧客に提供し続けている会社があるでしょうか。不可能を可能にすることが常に至上命題であるVertu。そういう立場に常に居続けているからこそ、そこにはきっと大きなブランド力が生まれ、多くの著名人や成功者たちの厚い信頼を本日のように勝ち得ることになったのだと思います。

 

▼ Vertu Concierge

それでは次に、上記のような数々のプレミアムなサービスを、端末の画面を通してではなく、生身の人間の立場から各Ownerに届ける任務を負う、「Vertu Concierge」のサービス画面について見ていきたいと思います。

たとえば、Vertu Signature TouchのOwnerが上記「VERTU LIFE」の画面でいずれかの特典や優待サービスに興味を持った場合、以下の「CONCIERGE」画面からその旨を電話、メール、またはLIVE CHATの手段を通じて専用のコンシェルジュ(ライフスタイルマネージャー)に連絡することができます。
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この画面は、次のいずれかの方法で呼び出すことができます。

  • Vertu Signature Touch本体右側面のルビーで装飾された物理キー(コンシェルジュキー)を押し、表示された画面の項目から「CONCIERGE」を選択する
  • Home画面トップの「Concierge」という小さなアイコンをタップする
  • Home画面トップのViewを右に2回スワイプし、3つ目のHome画面のViewに手動で移動する
    (注: 端末購入後初めて電源を投入した際は、このViewの3つ目の画面には30秒ほどの動画を再生するためのサムネイル画像が一時的に表示されますが、前回の記事の手順で端末登録のプロセスを完了すると、このウィジェットの表示は上図のようなコンシェルジュの管理画面へと切り変わります。)

この「CONCIERGE」のウィジェット(コンシェルジュ管理画面)には、合計4つのボタンが配置されています。

一番左の受話機のボタンはコンシェルジュに直接電話をかける際に使用するもので、その右の封筒のアイコンは直接コンシェルジュにメールを送信する際に選択するものになります。

また、さらにその右(右から2番目)にはLIVE CHATのアイコンが配置されています。このアイコンを選択した場合は、どうやら通信ができる状態であれば直接コンシェルジュとチャット形式でメッセージのやり取りをできるようです。

そして、最右のボタンはこの端末の持ち主であるOwnerがコンシェルジュに対してこれまでに発行したリクエストの履歴一覧(管理テーブル)、あるいは現在進行形の各リクエストの現時点での進捗ステータス等を確認するためのものと思われます。このほか、本管理テーブルでは、当コンシェルジュサービスの利用可能な契約残期間の確認、さまざまなQ&Aトピックの内容の確認、もしくはPreferred contact mode(コンシェルジュに連絡する場合は電話がいいか、メールがいいか、チャットがいいかの指定)の設定変更等をおこなったりすることもできるようです。

ちなみに、上記で本体右側面のコンシェルジュキーを押した際にまずこの時点ですぐに表示される画面とは、次の図の画面となります。この画面では計3つのサムネイル画像の項目オプションが表示されるのですが、ここでどれを選択するかにより、それぞれ文字通り「Vertu Life」、「Vertu Concierge」、または次回の記事で紹介する「Vertu Certainty」のいずれかの管理画面に移動することができるようになっています。
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(補足)このコンシェルジュキー押下後の画面で「CONCIERGE」を選択した場合は、実は正確にいうと、その飛び先はHome画面3つ目のViewのコンシェルジュ管理画面のウィジェットではなく、以下のようなもう少し見栄えのかっこいい、フルスクリーンの「CONCIERGE」管理画面となります。ただし、画面のメニュー構成はHome画面3つ目のViewのウィジェットとほぼ同様になっているので、できることはこのウィジェットとまったく同じになっています。
Screenshot_2014-09-15-08-15-12

なお、Vertu Signature Touchに1年間Complimentary ServiceとしてついてくるVertu Conciergeサービスですが、この記事にもありますように、今までのVertu製品に付随してきたコンシェルジュのサービスとはちょっと違う点があります。

どういうことかというと、Vertu Signature TouchのOwnerには無償で1年間「1-to-1 Dedicated Concierge」というステータスが与えられます。「1-to-1 Dedicated Concierge」とは、たとえばこれまでのコンシェルジュではあるVertu Ownerから何かのリクエストがあったりすると、複数のコンシェルジュの中でその時にちょうどあいているスタッフがその時ごとの必要な対応をしてきましたが、この新しいサービスでは各Vertu Owner個々人に専用のコンシェルジュがアサインされます。数多くいるVertu Ownerの中でも、たとえば「1-to-1 Dedicated Concierge」のステータスを持つA氏に対してはかならず常に専属のコンシェルジュスタッフYさんを付けるというような感じで、このA氏に対しては常に専用のコンシェルジュが対応をおこなうことで、よりOwnerの意向を正しく理解し、真の要望にあった形で常に最適なサービスを提供することができるようにするというのが、このサービスの主なコンセプトのようです。

一般的には、Vertuのコンシェルジュと言えばどのようなわがままも基本的に聞いてくれるということで有名ですが、同じサービスでも実はそのレベルに差があり、「1-to-1 Dedicated Concierge」の位にあるOwnerの方にはさらに洗練されたサービスが提供されるというわけです。

今回ハンドセットをお貸しくださったOwnerの方は、購入した端末がSignture Touchですので、この方についてはデフォルトでコンシェルジュのグレードが「1-to-1 Dedicated Concierge」にアップグレードされていました。なんだかすごい世界というか、羨ましい限りですね。

Vertuの徹底したサービスは本当に絶え間なく進化が加えられていて、新モデルの製品がリリースされるたびに常にその変化の内容をきちんと把握するのはとてもたいへんです。まず、私なんかには普通に買うことすらできませんし、そんなに何度も今回のようなありがたい機会が与えられるとも思えません。ですので、今後も苦難の道(?)はきっと続くのですが、ぜひ今後も必死にくらいついて、Vertuがどう変わっていくのか引き続き見守っていきたいと思います。

ところで、この「1-to-1 Dedicated Concierge」というサービスですが、数々の情報によると、どうやらこれはVertuの現CEOが約1年前に現在のポストについたときにまず手始めとして着手したVertu Rebranding事業の改革の1つとして始めたものなのだそうです。現CEOはTwitterheadとしても有名で、@maxpogというアカウントでけっこう毎日のようにいろんなことをつぶやいています。もちろんVertuの最新情報や未発表情報などについてもたまに誰よりも早くつぶやくことがありますので、気になるか方はVertu公式の@vertuとともにフォローしてみてはいかがでしょうか。

では、次回は、VertuとSilent Circle社が提携して実現した通話やメッセージの暗号化、Kaspersky社と提携して実現したウィルスなどからの端末保護、およびその他さまざまなユーザー向け技術サポートサービスを統合する「Vertu Certainty」のサービス構成について見ていきたいと思います。

追記: そういえば、本連載の初めの記事で、Vertu Signature Touchは日本語フル対応とお伝えしましたが、残念ながら、Vertu Life、Vertu Concierge、Vertu CertaintyなどのVertu独自のサービスは、基本的に日本語は未対応となっているようです。コンシェルジュは24時間、365日、言語は計8ヶ国語でのサービスの提供となりますが、日本からは2011年夏に完全撤退したこともあり、コンシェルジュやカスタマーサービスなどの担当者とのやりとりは主にすべて英語中心となるようです。


 

前回までの記事:

 


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