交流っていつもみんな使ってますよね。
お家に入ってきている電気が交流ですね。
先日、電力小売りの自由化が始まりましたけど、お金を出して買っている電気です。
交流のほかには、直流があって、これは一番身近にあるもので言えば電池。
電池もよく使っていると思います。
今回は家庭の入っているよく言う100Vの電気をどうやったら Arduino のアナログ入力で測定できるかなということを目的に、交流の電気ってどうなっているんだっけということについて書いてみたいと思います。
よく言うのは、日本ではコンセントに来ている電気は100Vといいますよね。
確かにこれはそうなのですけれども、これは実効電圧の事を言っているのですよ。
あれ?
すでにこの辺りで怪しくあってきてる方いませんか?
まだ大丈夫ですか?
加えて交流の波形の事を正弦波とかサインカーブとか言いますけれども、交流ってのは、時系列に沿って電気のプラスとマイナスが入れ替わる波形で届いています。
Excel でもこのサインカーブは書けますよ。
はい。できました。
縦軸が電圧で、横軸が時間ですね。時間軸は周波数を表し、日本の東の方では 50Hz 西の方では 60Hz の周波数で電気は提供されていていますね。
交流はこのようなカーブを描いていて、プラスに振れたりマイナスに振れたり、刻々と変化しているわけです。
そして、いつも言っている100Vとは、このカーブが表す実効値の事を表しています。
さて、では実効値とはということになるのですが、このように刻々と変化する交流のマイナスとなる部分を置き換え、正の値としたうえで、その平均をとった数値なのです。
したがって、実際にはこの正弦波の最大値は、実効値よりも大きくなります。
測定をするときには、この実効値を元としていると、その機器の入力電圧には、実効値を大きく超える電圧がかかることになってしまい、場合によっては機器の破損も起こしてしまいます。
テスターなどでは、もともと実効値で数値を表示しますからその限りではありませんが、AD 変換とかアナログ入力とか言われることを行う時には問題となります。
これから波形の最大値を求めると、100Vの実効値ならば、√2 を掛算した値が、最大値となります。
最大値は、100Vの実効値ならば、141.4213562 V(一生懸命覚えた数字が出てきた)となり、Peak to Peak (ピークトゥピーク)ではその倍、282.8427122 V となるのですね。
試しにビンテージなオシロスコープで波形を見てみると・・
このオシロ、大変思い入れのある品物で、高校生になったときだから、もう40年近く前って驚きの品物なんだけど、まだ動く。
バイトして、2万円ためて、本体2万円~って書いてある広告見て、夏の暑いさなか死にそうになりながら汗かいて、20キロもチャリンコで走ってお店についたら、2万円のなんてなくて、しばらく売り場で立ちすくんでいたら、こわそなおっさんがどうしたのそんな汗かいてって麦茶出してくれた。
いろいろ聞いてくれるので、バイトで2万円ためてオシロ買いに来たってやっとこ言って、2万円しか持ってないんだけど、プローブもホントは欲しいとか、洗いざらい正直に話したら、今、校正が済んだのがあるから、それと 1/10 のプローブ2本付けて2万円でいいよって言ってくれた。
おまけに帰りにのど乾くだろうって言ってくれて、1,000円渡してくれた。
もうほんとにこれ以上下げられないってくらいお辞儀して、お礼言って、持ってきたリックに壊れないように緩衝材もちゃんと入れてくれて、また20キロチャリンコで帰ってきたんだけど、嬉しくて!
もういなくなっちゃった親父の前でスゲ~だろって見せてやったら、お前そんな金もってねぇだろって言われて、これまた洗いざらい話したら、そりゃなんかしないといけないなって言ってくれて、確か鳩サブレかなんかを手紙と一緒に送ってくれた。お返事はもらえなかったけど。そんな大切なオシロスコープなのです。
今じゃこの程度の波形を見るなら、こずかいで買えるくらいからあるけどね。
おぉ。話が飛んでしまったので、元に戻すが、オシロもビンテージだが画像も悪くて申し訳ないけど、1/10 のプローブで 5V レンジなので、ひと目盛りが50Vって事。
最大値は3目盛り弱になっているから、だから大体150V弱ってことですね。
Peak to Peak だと、280Vぐらいだから、ほぼあっている。
ビンテージオシロだって使えるじゃん。
新しいのそりゃほしいけど、この通りなのでまだ使う!
こんな感じとなるので、交流を測定する場合には、実効値をあてにしていると、機器を壊してしまう可能性が高いわけです。
そのために復習しているのですけど、Arduino のアナログ入力は、当然プラスの値しか測定できないし、その最大電圧は 5V に制限されています。
さて、どうやったら測定できるか・・
電圧を下げる必要があり、加えてマイナスの値は何らかの形で、プラス側にしておかないと測定できませんね。
そこで登場するレトロで便利なパーツがあります。(またかよって言わない!)
それはトランス。
これは電圧を変換する役目に使えますね。
トランスは昔はなんにでも使われていましたけれども、最近はスイッチング電源がほとんどなので役目が終わり、あまり見かけません。
古~い AC アダプタ(大きくて重い奴)ならばもしかしたら、こんなトランスが入っているかも。
ちなみにトランスとは、1次側(この場合は100Vとする)と2次側に分かれて鉄心に細い線がたくさん巻いてあり、電磁誘導により2次側に電圧を出力します。
バラスと沢山エナメル線が取れますよ。
面白いのは、ぐるぐる巻かれたエナメル線の途中からまた線が出ていたりして、そのタップの位置で様々な電圧が取れるところ。
このトランスである程度の電圧とし、その後、分圧抵抗をつかって必要な電圧にさらに落としてあげるとよいでしょうねぇ。
実効電圧 100Vといっても、98V の時もあるし、103V の時もあるので、少し余裕を持たせてね。
大体 Peak to Peak で、4V ぐらいで良いかもしれない。
これで電圧の事は良いだろうけれども、次は、まだ交流なので、アナログ入力 DC (5V Max) の Arduino に入力するには・・いくつか考えられるけど。
ローテクだけど、釣っちゃうことにする。
すると・・イメージ的にはこんな感じとなり、
赤で引いた正弦波のように電圧のプラス側になるようにすればよい感じ。
分圧と DC で釣るにはこんな感じでいいかな?
AC IN から交流(適切な電圧)を入れてやって、R1 と R2 で最大値2Vぐらい (Peak to Peak だと 4Vぐらい)に分圧して、DC IN は Arduino の 5V から引っ張って、その真ん中の 2.5V に分圧して分圧した AC と足し算しちゃう。
この回路だと R2 = R3 となるから、合計3本2種類の抵抗でできるはずですな。
そうすると、マイナス側に振れない DC 電圧として、アナログ入力できそう。
周波数の事は、50Hz だと、0.02 秒(20ms)に1周期となるので、Arduino のアナログ入力のスピードは 100μ秒(0.1ms)に1回(1秒間に1000回)測定できるそうだから、たぶん1周期分で200ポイントぐらいの測定は可能になるのではないかなぁ・・
そう考えると PC ってとてつもないスピードで動いているんだなぁと改めて思ったりするよね。
さてさて、座学はこれぐらいにしておいて、次回は実際に抵抗値を求めて実験してみることにしましょうか。
またビンテージオシロが活躍するよ!(たぶん)
※ホントは単相3線式とか三相との違いの事にも触れなければいけないけれど、興味があったら調べてみてね。
電子機器が大好きです。
プログラムを書くのをお仕事としていたこともあるので、両方できる PIC や Arduino を使って、いろいろな(役にあんまり立たない)ものを作っています。
実は UNIX 関連のお仕事も長かったので、Raspberry Pi もお手の物なのですけれど、これから触る機会が多くなるのかなぁ。
ボチボチ行きますが、お付き合いください。
若いころの写真なので、現時点では、まだ髪の毛は黒くてありますが、お髭は真っ白になりました。
愛車の国鉄特急カラーのカスタムしたリトルカブで、時々、秋月電子通商の八潮店に出没します。
オシロの思い出にぐっと来ちゃいました。
多分熱い思いに感心して色々してくれたんでしょうね~
2万円のオシロは目玉商品ですぐ売れちゃったんだと思うけど
それが帰っていい思い出になりましたね。
最近瞬間的な波形を見るためにデジタルストレージのやすいやつ(それでも5万近い)
買ったら、値が数字で出るのでマス目かぞえないでいいし楽ちんすぎて感動しましたw
GDS-1052Uってやつです。奥行きも12センチぐらいですかね~机においてもじゃまにならないびっくりサイズですw
コメントをいただき、ありがとうございます。
大変お世話になって、おかげさまで沢山のことを教えてくれたオシロです。
おぉ、なるほど、最近のオシロは升目を数えないと・・便利ですね。
ちょっとスペックを調べてみましたけれども、波形も保存できたりと、多くの機能を持っているのですね。
何より大きさを拝見して、その違いは歴然。
このオシロ古いけど、奥行きのほうがずっと長いですもの・・笑っちゃいました。
うらやましいですが、大切なオシロなので今後も頑張って使いますよ~
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
[…] まだあのヴィンテージのオシロ君(愛用品)も使ってるよ~(最近ご機嫌ナナメだけど) […]