百均に行くと、必ず見るんだけど、それは電気・小物のコーナー。
どんなものがあるのかなぁと、手に取り細部まで観察していたりする。
最近は、LED 懐中電灯も進化を遂げ、って大したことはないのだが、ひと昔前ではなかなか手に入れるのも大変だった高輝度の LED が使われていると思われる製品もあるのですねぇ。
先日そんなと思われる製品を見つけて、いつもは見るだけで買わないのだけれど、購入してきましたよ。
いきなりバラすのも失礼なので3本の電池を入れて点灯させて明るさを確認したのちにバラバラにしてみました。
まずはレンズの部分がネジになっているので、回して外してしまいます。
おぉ!ラッキーですね!
LED はほぼそのままの形で、リード線もそのままなので、どちらが LED のプラス(カソード)なのかマイナス(アノード)なのかわかります。
LED はプラスチックスのプレートに挟まれているので、小さなプラスネジを外せば OK。
こんな感じなのだけれども、これをどうするか?
目的は、多分これは、日本ではまだまだ高価だったころに、米国に出張で行った時に買った MAG-LIGHT なんだけど、電球式のモノ。
ご覧の通り、今でも点灯はするのだけれど、何とも頼りない電球特有の黄色っぽい灯りです。
こいつを LED 化して、蘇えさせよう!
というのが目的。
そこで、おさらいの意味も含めて、LED の特性の説明や、それの使い方などを書いておこうかなぁというのが、この記事でございます。
まぁ、初歩的なお話なので、玄人の方には退屈なお話なのですけれどもね。
よろしかったら参考にでもしてください。
まずは LED について、軽く説明してみます。
今はいろいろな色を発色する LED がありますね。
単色のものは、白系と青系、赤系となります。まぁ緑系なんてのもあるけれど、ここではちょっと置いといて。
これ、白と青系、赤系は点灯する電圧が異なるのですねぇ。
大体ですが、
こんな電圧の範囲で点灯します。
LED を部品で購入するのであれば、その時にデータシートがもらえる(または参照できる)と思うので、こちらを読み取ったほうが良いですが、上記はおおよその目安です。
普通はこの電圧の事を VF(ブイエフ)と呼んでいて、順方向電圧降下と書いたりもします。
今回は、百均の LED 懐中電灯をばらして LED だけ使うので、上記の大体ではありますが点灯する電圧範囲は頭に入っていないと困ります。
使われている LED の型番が解ればその範囲ではないのですが、組み込まれてしまっている LED の型番は、まずわからないでしょうね。
さて、次は流す電流ということになる訳ですけれど、こちらは小さな普通の LED であれば、5mA も流せばよいかと思いますが、こちらもできればデータシートを確認できればよいのですけれど。百均で買ってきた LED のデータを入手するのは、おそらくは無理だと思うので、ちょい困った。
そこで、百均で購入してきた LED 懐中電灯をばらすわけですが、中身が見えるようになったら、注意深く観察する。
おそらくは、LED から出ている線の片側にスイッチが入り、電池に接続され、反対側には 1/4W 程の大きさと思われる抵抗が入っていると思うのです。
この抵抗値を読めばよいわけですなぁ・・。
いくつかの種類の LED 懐中電灯をばらしてみましたが、結構この抵抗値は違うもので(構成の違いもあるからです)、この LED ライトには、5Ωの抵抗が入っていました。
う~ん。
入手した懐中電灯に使う電池は単三電池3本だから、4.5V ですね。
そこに、スイッチが入って、LED そして抵抗とつながっている。
すなわち、
(4.5-3.1) / 電流 = 5Ω
ってことなので、抵抗が5Ωの LED 懐中電灯では、LED には 280mA の電流が流れていることになる。
ん~
LED がでかいからかな?
なんだかパワー LED 並みの電流が流れているみたい。
結構な電流が流れています。
この LED 懐中電灯で使用する乾電池は単三電池が3本。
あんまり公表されていないのだけれど、普通の単三電池の容量は、2000~2700mAh と Wikipedia にあるので、まぁそれを信用して、もう1つ検証してみる。
それは、購入した LED 懐中電灯のパッケージに書かれている点灯時間。
なんだかこの LED 懐中電灯にはランタンとして使用できるようにもなっていて、2つの点灯時間が書かれていますが、どちらも 9h (9時間)と書かれている。(回路が同じなんだもん同じだよねぇ)
うん。280mAh 流れているとして、乾電池の容量が、上記のとおりなら、大体納得できる値だなぁと。
もう1点、この LED 懐中電灯で使われている大きい方の LED はリード線が、買ってきたときのまんまですねぇ。先にも書いたが、これは好都合。
これはリード線の長さで、LED の極性を表しているから。
長い方がアノードで、プラス側。短い方がカソードでマイナス側ですな。
電池の記号と同じと覚えておくと良いかも。
明るい理由もわかったし、加工しやすい状態であることも確認できた訳ですけれども、へぇ~これが百円で(108円だけど)で買えるんだぁ。(部品でまとめて沢山買えば、もっと安いだろうけどね)
ふん。わかった。
ってことは後は、目的の MAG-LIGHT ので使われる電池の数から電圧を求めて、抵抗値を加減すれば良いわけなのだが、なんとラッキーこの MAG-LIGHT 単二電池ではあるけれど、3本じゃんか。
ってことはこのまんまでも OK なのですねぇ。
後は工作の域。
現状ではこんな電球が入っていて、点灯してもなんとも暗い・・
さてどうするか?
電球壊して、ここに LED と抵抗入れる。
勇気をだして、ペンチで電球掴んで、ごみ箱の上で、握ってしまう。
ポンと音してこの通り。(あ~ぁやっちまった、後戻りはできないよ)
内側の残骸をきれいに取り去る。(手、ケガしないようにね)
とってもきれいにしてもよいと思うけれど、まぁこれぐらいでよいでしょ。
さて、ここに LED を取り付けてしまえばよい。(抵抗入れてね)
のだが、オリジナルの状態で使われている電球には極性はないので、懐中電灯によっては、どちらがプラスなのかマイナスなのかわからない(普通は真ん中がプラスだと思うけど)のでテスターで極性を確認しておく。
ふん。この MAG-LIGHT は、まんなかがプラスだっと。
使う部品はこの通り。
こんな感じではんだ付けして、LED 電球の出来上がり。
はんだ付けって、不得意っていう方がいるけれども、要は前処理(半田が付きやすくしておく、またはあらかじめつけておく)と、部品が動かないように固定することですよ。
特に部品が動いているようでは、それを職業としている人でも上手にはできないです。
簡単だからぜひチャレンジしてみてね。
ちなみに、今回は電池の本数が同じだったから、抵抗もそのまま付けたけれども、異なる場合には、先の計算式に当てはめて、抵抗値を求めれば OK です。
抵抗で消費される電力(ワット数)も考える必要がありますが、LED に流した電流の二乗に抵抗値を掛算すれば、ワット数になります。この場合は、0.28 x 0.28 x 10 = 0.784W ってことですね。発熱するとは思うけど、大丈夫でしょう。
今では発火したり、熱源として使用できるほどの強力な LED ライトも存在するけれども、バカ明るいってわけではないけれど、十分明るい LED MAG-LIGHT が出来上がりましたよ。
単二だと 6000mAh 位の容量があるから、21時間ほどは連続点灯が可能でしょう。
もっと電流を少なくしても(抵抗値を大きくして)、十分な明るさだとは思います。
今回購入した、百均 LED ライトには、もう1つ部品がありましたね。
実は、3個買ってきてばらして、こんな感じにしてみました。
元はコールマンの蛍光灯式のランタン。
電球が切れてしまって点灯しないのですけれど、この電球買うとバカ高いのね。
だから買わなかったんだけど・・
もしかしたら、こちらの方が面白いかもしれないね。
7個の LED を4個(12個)と3個(9個)に分けて、元の通り、Hi(全点灯) / Low(9個点灯) で切り替えることができるようにしてあ~る。
替えの電球買うよりもずっとお安く、明るくなりましたです。
また別の機会に紹介します。
電子機器が大好きです。
プログラムを書くのをお仕事としていたこともあるので、両方できる PIC や Arduino を使って、いろいろな(役にあんまり立たない)ものを作っています。
実は UNIX 関連のお仕事も長かったので、Raspberry Pi もお手の物なのですけれど、これから触る機会が多くなるのかなぁ。
ボチボチ行きますが、お付き合いください。
若いころの写真なので、現時点では、まだ髪の毛は黒くてありますが、お髭は真っ白になりました。
愛車の国鉄特急カラーのカスタムしたリトルカブで、時々、秋月電子通商の八潮店に出没します。