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小5の太陽系シミュレーション作品が総務大臣賞!―第5回全国小中学生プログラミング大会 最終審査会・表彰式―

子どもたちが競う、プログラミングコンテストのお話。

この年令でここまでやるとは思ってもいなかったのだけど、それが素晴らしいのですよ。

まぁ、ご一読ください。

小5の太陽系シミュレーション作品が総務大臣賞!―第5回全国小中学生プログラミング大会 最終審査会・表彰式―
惑星・衛星の動きなどを再現したシンプルで美しい画面を評価
株式会社KADOKAWA

全国小中学生プログラミング大会実行委員会は、「第5回全国小中学生プログラミング大会」の最終審査会・表彰式を2月28日(日)に開催し、グランプリ・総務大臣賞をはじめとする受賞作品を決定いたしました。受賞者の詳細や、審査員のコメントをご紹介いたします。
本大会は、小中学生を対象とした全国規模のプログラミングコンテストで、2016年より開催しています。第5回となる今回は、日本各地から本大会にご応募いただいた作品と、各種のパートナーから応募・推薦いただいた作品をあわせて、合計785作品ものご応募をいただきました。

これら多数の応募作品の中から、一次・二次審査を経て、入選11作品を選定。オンラインで開催した最終審査会で、小学校5年生の尾崎玄羽さんの作品、宇宙エレベーターから出発した宇宙船で太陽系を旅する設定の「太陽系シミュレーションゲーム」を、グランプリ・総務大臣賞に選定・表彰いたしました。準グランプリ以下の賞は、以下のとおりです。

小5の太陽系シミュレーション作品が総務大臣賞!―第5回全国小中学生プログラミング大会 最終審査会・表彰式―

小5の太陽系シミュレーション作品が総務大臣賞!―第5回全国小中学生プログラミング大会 最終審査会・表彰式―

■第5回全国小中学生プログラミング大会 受賞作品一覧(敬称略)

第5回全国小中学生プログラミング大会 受賞作品一覧(敬称略)

第5回全国小中学生プログラミング大会 受賞作品一覧(敬称略)

グランプリ・総務大臣賞
『太陽系シミュレーションゲーム』
尾崎 玄羽(おざき げんう):東京都小平市立小平第二小5年

『太陽系シミュレーションゲーム』 尾崎 玄羽(おざき げんう):東京都小平市立小平第二小5年

『太陽系シミュレーションゲーム』
尾崎 玄羽(おざき げんう):東京都小平市立小平第二小5年

北海道・余市市の道の駅「スペース・アップルよいち」にある宇宙記念館で、軌道エレベーターを登って月や火星に行く映像を見たのが、開発のきっかけだそうです。惑星・衛星の自転・公転速度や、引力、大きさ、距離などの比率は、太陽系の星々のデータをインターネットで調べて、すべて実際のデータを使ったシミュレーター(太陽だけは大きすぎるので、小さくしたそうです)。
自分の乗っている宇宙船を操作し星の周回軌道にのせるなどして楽しむことができます。天体に関する計算だけでなく、画面構成もシンプルでデザイン的に美しい点も評価されました。

準グランプリ
『Color Overlap』
宇枝礼央(うえだ れお):東京都杉並区立東原中1年

『Color Overlap』 宇枝礼央(うえだ れお):東京都杉並区立東原中1年

『Color Overlap』
宇枝礼央(うえだ れお):東京都杉並区立東原中1年

光の三原色である《Red》(赤)・《Green》(緑)・《Blue》(青)の3つを重ねて合わせていくパズルゲーム。光の三原色は重ねること色が変わり、またすべて重ねると《白》になるその原理が、そのままパズルを解くしくみになっています。昨年、Scratchで開発したものを、基本となるアイデアはそのままに改めてUnityで制作。ストーリーを付けるなど内容も一新したそうです。
「声が小さくて小人としか話せない王様」という設定や、絵本のような可愛いだけでなく深みのある絵、市販ゲームを思わせるゲーム画面の完成度が高い点も評価されました。音楽もオリジナルとのことです。

優秀賞作品の概要
『Birds AI ぴーちゃん』(中学校部門)
水谷俊介(みずたに しゅんすけ):信州大教育学部附属松本中1年(長野県)

『Birds AI ぴーちゃん』(中学校部門) 水谷俊介(みずたに しゅんすけ):信州大教育学部附属松本中1年(長野県)

『Birds AI ぴーちゃん』(中学校部門)
水谷俊介(みずたに しゅんすけ):信州大教育学部附属松本中1年(長野県)

スマホによるAIの画像認識とGPSの速度測定により、自転車走行時の危険を警告してくれるシステム。道路標識や危険個所を2032枚の画像として学習させたそうです。開発のきっかけは、自分自身の自転車事故とのこと。AIによる画像認識を活用した作品は少なくありませんが、ここまで本格的にとりくんだものは多くはありません。自転車の交通事故を減らし、マナーの向上につながりそうな実用性も評価されました。

『点体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)』(小学校高学年部門)
越智晃瑛(おち こうえい):滋賀県守山市立速野小6年

『点体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)』(小学校高学年部門) 越智晃瑛(おち こうえい):滋賀県守山市立速野小6年

『点体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)』(小学校高学年部門)
越智晃瑛(おち こうえい):滋賀県守山市立速野小6年

第3回大会でも《点字》について調べ、それを題材にしたハードウェアを組み合わせた作品で準グランプリを獲得した越智さん。今回は、ひらがな、カタカナなどで書かれた文を点字に翻訳(点訳というそうです)できるソフトです。越智くんらしいのは、翻訳だけでなく点字ディスプレイなどで表示する点字ファイルへの出力や、3Dプリンターでの点字印刷をできるようにしたことです。点字の3Dプリンターでの印刷時の問題点を解消するために3Dプリンターの開発会社にも相談。実際に視覚障害者の方に触ってもらい、修正を繰り返して完成したそうです。

『Back 2 Back』(小学校低学年部門)
千葉紫聞(ちば しもん):東京都渋谷区立中幡小2年

『Back 2 Back』(小学校低学年部門) 千葉紫聞(ちば しもん):東京都渋谷区立中幡小2年

『Back 2 Back』(小学校低学年部門)
千葉紫聞(ちば しもん):東京都渋谷区立中幡小2年

“バスケットボールプレイヤーのための本格マルチアプリ”で、略称はB2B。《トレーニングサポート》、《ストップウォッチ》、《クイズゲーム》、《シューティングゲーム》といった機能からなる。開発環境として使ったUnityのほかに、PhotoShop、Illustrator、Blender. Visual Studio Code Insidersなどを活用。「Back to back」は、“連続”という意味で、NBAで連続シュートがきまったときなどに使われる言葉とのこと。小学校低学年でもこうしたコンセプトワークやプレゼンテーション、質疑応答ができるのかと、審査員を驚かせました。

■賞・副賞
グランプリ: 賞状と盾 副賞: OMEN by HP 15 ハイパフォーマンスモデル
準グランプリ: 賞状  副賞: HP ENVY 15 パフォーマンスモデル
優秀賞: 賞状     副賞: HP ENVY x360 15 スタンダードモデル
奨励賞: 賞状     副賞: 書籍『ギネス世界記録2020』

■総評

稲見昌彦実行委員長

稲見昌彦実行委員長

稲見昌彦実行委員長は、「今年はコロナ禍の雰囲気を吹き飛ばすようなアイデアにあふれた作品がたくさん寄せられました。パソコンというものを考えたアラン・ケイという人は、「コンピューターはアイデアを奏でる楽器」だと言ったそうです。プログラミングというのは、楽器やスポーツや映画や遊びと同じように《プレイ》という言葉がふさわしい。内側からやってみたいという気持ちが大切なのです。人からやらされるのは仕事であってプレイじゃない。みなさんが、作品を楽しみながら作って、その結果みんなを楽しませた、その気持ちを忘れず、ここからがスタートだと思って頑張ってください」とコメントしました。

河口洋一郎審査員長

河口洋一郎審査員長

河口洋一郎審査員長は、「小学生、中学生から真面目にコツコツと純粋に作品を作ることに没頭したことで面白い作品が出てきた。プログラミング作品にとりくむことで、努力したらそれが実を結ぶということをみんなが会得していることが伝わってきた。そういうところからこそ、すばらしい作品が出てきていると感じました。プログラミングは論理的な手段ですが、論理を超越した魅力的なものが、この大会で毎回応募されてくるのが楽しみです。今回もまさにそうでした。ぜひこうした努力の中から将来ノーベル賞級のものが出てくることを期待しています」と小中学生たちにエールを送りました。

■スペシャルトークライブ

スペシャルトークライブ

スペシャルトークライブ

第5回全国小中学生プログラミング大会の併催イベントとして、『子どもとコンピューターのこれからについて語ろう 〜家庭での使い方、学校でのICT活用の実際から考える〜』がオンラインにて開催されました。
2020年度から小学校でのプログラミング教育の必修化がはじまり、「GIGAスクール構想」も新型コロナウィルス感染症の拡大をうけて2023年の達成目標が前倒しとなりました。このチャンスを生かして、子どもたちにどのようにネットやデジタル端末の世界に触れてもらうのがよいのか?
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員・准教授の豊福晋平(とよふくしんぺい)氏、株式会社インプレス “こどもとIT”編集記者の神谷加代(かみやかよ)氏をむかえた、株式会社日本HPの協力による1時間のトークライブ。識者である豊福氏の意見と、日本とアメリカにおける教育の違いを体験した保護者としての立場もある神谷氏の白熱したトークとなりました。

■2020年度エリアパートナー
鹿児島Kidsプログラミングコンテスト(鹿児島県)
Digital Future Fest ジュニアプロコン in 静岡(静岡県)
信州未来アプリコンテスト0(ZERO)(長野県)
きのくにICTプログラミングコンテスト Switch Up WAKAYAMA(和歌山県)
「新井白石」小・中学生プログラミングコンテスト(千葉県君津市・埼玉県白岡市)

■2020年度コミュニティパートナー
Springin’(スプリンギン)  株式会社しくみデザイン

■全国小中学生プログラミング大会概要
2020年度、小学校でプログラミング教育が必修化され、プログラミング教育への注目が集まっています。これまで全国小中学生プログラミング大会では、アイデアを表現・発信する手段としてのプログラミングの普及を目指し、ワークショップ等イベントの展開を含む多様な活動を進めてきました。2016年に第1回大会を開催し、これまでに1400名以上の子どもたちが作品を応募、または関連イベントに参加しています。

■第5回全国小中学生プログラミング大会 開催概要
主催:全国小中学生プログラミング大会実行委員会
(株式会社角川アスキー総合研究所、NPO法人CANVAS)
共催:株式会社朝日新聞社
協賛:株式会社日本HP、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社、
Kano Computing Ltd.
後援: 総務省、一般社団法人超教育協会
大会実行委員長:稲見昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター教授)
実行委員:遠藤 諭(株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員)
石戸奈々子(NPO法人CANVAS 理事長)
清水 亮(東京大学 先端科学技術研究センター身体情報学客員研究員)
審査員長:河口 洋一郎(アーティスト、東京大学名誉教授)
審査員:金本 茂(株式会社スイッチサイエンス 代表取締役)
林 千晶(株式会社ロフトワーク 代表取締役)、石塚千晃(最終審査のみ代理)
増井雄一郎(Product Founder&Engineer)
松林弘治(エンジニア/著述家)
公式サイト: 全国小中学生プログラミング大会 http://jjpc.jp/

以上

流石だねぇ。

比べると、確かに環境も整っているし、その子の興味の度合いにもよるのだろうけれど、開発環境などを揃えるのに、金銭的にも一苦労していたあのころとは、格段に違うものねぇ。

それが必要ないから仕事にした!って理由もあったりもするが、そんなの関係ないんだから、(進む方向によっては)だけれど、素晴らしい環境が整っているんだなぁと感心したり。

プログラムというのは、これをこうしたい!って思うと、それをそのとおりにするために、他のことも学ばないと、実現できなかったりもするので、そのあたりがとても面白いのだけれど、彼らは、そういったことも、体感してわかっているのだろうね。

素晴らしいです。


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